米国第一主義を掲げるトランプ大統領が、鉄鋼とアルミに追加関税を課したことが契機となり、米中貿易摩擦が激化している。
中国は、米国が輸出する大豆や豚肉に追加関税をかける報復措置に出た。これに対し米国も、中国による知的財産権侵害の制裁措置に出た。
米中貿易摩擦だなんてテレビなどでは言われているが、実際には米中貿易戦争をしている様に思える。
僕は、米中で打ち合いの戦争をすることは無い。お互いに核を所有している国同士なので、かつて戦争の様に打ち合うことは無い。
米中貿易戦争は、ソ連とアメリカの冷戦に似ていると思う。
冷戦ではアメリカが勝ちソ連が崩壊した。アメリカがソ連に勝つことが出来たのは、経済のパフォーマンスがアメリカのほうが良かったからだ。
社会主義は、全部独裁者が主導で政治から会社の立ち上げなどの事業までするので、どんなに頭がいい人でも、処理するデーター量が多すぎて手が回らない。
独裁者は、共産主義を維持する為に、反対する人を粛清をすることで情報統制も行わないといけないので、資本主義と比べて経済的なパフォーマンスが下がる。
経済的なパフォーマンスが低い社会主義を採用していたソ連がアメリカに負けた結果となった。
米中貿易戦争の話に戻る。左向きの人は「米中貿易戦争では、習近平率いる中国がアメリカと喧嘩をして勝つ」と言っている。
左の人は、心で物を考えて根拠ないことでも自信ありげに発言出来るから羨ましい。
貿易戦争の行方を見る上で、経済のパフォーマンスを見る指標として、「外貨準備高」に注目した。外貨準備というのは、政府や中央銀行が持っている外貨のことであり、民間が持っているものは含まない。
たいした根拠はない。中国が使っているお金の元の信用の裏付けはドルである。元の価値が有るのは、銀行に行くとドルと交換できるから価値が有るのだろう。ドルの準備高が減ると単純に元の価値の裏付けが減ることになる。金方位制の頃の金の役目がドルだと思えばわかりやすい。
2017年末の数で、1位が中国で約3.2兆ドル、日本が2位で約1.2兆ドルだ。この数字だけ見ると中国が1位で日本の2倍以上持っているから、中国はドルをめちゃくちゃ持っていると思うだろう。
しかし、かつての中国は外貨準備高は4兆ドルほどあり、2017年末の3.2兆ドルである。2017年末の時点で0.8兆ドル下がっている。現時点ではもっと下がっている。
それは中国人民銀行による強烈なドル売りが行われたからだ。
そもそも、外貨準備高はどういうときに増えたり減ったりするのか。各国の中央銀行が市場に介入して、自国通貨の価値を強制的に高めたり、抑えたりすることが原因であることが多いとされている。
自国通貨の価値を抑えようとすれば外貨を買うので外貨準備高が増え、逆に自国通貨の価値を高めようとすれば外貨売りのため外貨準備高が減る。ちなみに日本の外貨準備高は、変わっていない。
これを中国が外貨準備高減ったことに当てはめる。中国の外貨準備高はあるとき4兆ドル近くまで上がった後に下がっている。
中国では輸出が伸び貿易収支が黒字の期間が続いた。輸出が増えると、民間企業の間でドルなどの外貨を売って人民元を買う動きが強くなる。
貿易をする際は、基軸通貨であるドルを使って決済がされる。貿易で利益を上げた企業では、製品を売ってドルを得る。中国の企業では、従業員の給与を人民元で支払う。
そうすると、中国人民銀行はドルを買い取って人民元を払うことになるので、外貨準備高が増える。
米中貿易戦争により貿易黒字が出せる企業が減ると、ドル売りの動きが鈍化する。中国の外貨準備高が上がらなくなる。
中国経済が成長が鈍化している。先行き不安のある国の通貨は売られる為、世界中で人民元が売らている。これらの動きにより中国の外貨準備高減っている。
米中貿易戦争により中国経済はダメージを受けている。このままいけば、中国の皇帝である習近平主席が次の皇帝に代わるか、中国の長い70年間の歴史が終わる。
中国の皇帝はよく変わっている。
今の中国の歴史は70年程しかないので、何とも言えないが。もっと過去まで振り返ると、秦の始皇帝が誕生してから何度も反乱が起こっては、反乱軍の中から皇帝が生まれるの繰り返しが起こっていた。
皇帝が生まれる理由は、中国人が全てを納めてくれることが出来る皇帝が生まれることを望む。実際に皇帝が誕生すると今度は、その皇帝が気に入らないから潰す。また、皇帝が納めることを望んで皇帝が生まれて、潰すことを繰り返す。
今回も、米中貿易戦争をして景気が悪くなったら、全て習近平主席が悪いとなり、主席から降ろす動きが起こる。主席はそうした動きを抑える為えるので、経済的なパフォーマンスがさらに落ちるはずだ。
中国は、不満を持った国民を抑えながら、米国との貿易戦争を行うことになる。そうなると経済的なパフォーマンスで勝て無い。結果は、冷戦と同じ様になると思う。
