進撃の社畜

ブラック企業を全て駆逐してやる

人生のシュミュレーションは意味ない

こうした記事を見かける。サラリーマンがお金のことでファイナンシャルプランナーに相談して、人生のシュミュレーションをしてもらうというものだ。

 

35歳貯金3000万。激務のため50歳で早期リタイア希望(あるじゃん(All About マネー)) - ニュース・コラム - Yahoo!ファイナンス

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記事によると会社が激務で、50歳には引退やめたいとのことで、50歳でセミリタイヤ出来るかファイナンシャルプランナーに相談している。
今の収入と支出から老後にはいくら持っているかシュミュレーションしている。
家計収入として今の収入が退職予定の年齢まで続いて、その時の退職金と老後の公的年金をいくら貰える金額が正確に書かれている。
支出としては、生活費、趣味にかかる費用、子供の学費、生命保険の支払いが有る。
これらのデータから、平均寿命を迎える時に、いくら持っているかシュミュレーションしている。


こうしたシュミュレーションに意味が無いと思う。
会社が激務な状態で何年も仕事を続けることが出来るのか分からない。体調を崩す可能性もある。体調を崩せば仕事に復帰できる保証は無いし、復帰できたとしても給与が大幅に下がる可能性もある。
体調を崩すリスクを考えると、今すぐにやめて転職した方が結果的に収入を維持できるかもしれない。
会社が激務な状態で何年も仕事を続ける事が出来ても、何年後かには会社がつぶれている可能性もある。今の時代がと大手でも倒産している。倒産しないとしても、リストラにあう可能性があるので仕事を続ける前提で収入を計算しても意味が無い。
仕事が辛い状態で仕事を続けないといけないと思いながら仕事に行くだけでも気が重い。辛らくても老後のことを心配すると辞めれない。
人生100年だと言われる時代なので、それだけ老後の蓄えが必要になるのはわかる。老後の為に若い時間を辛い仕事で犠牲にするのは勿体ないと思う。
寿命が延びるといっても年をとってからの人生が伸びるだけだ。30代も40代も10年しかない。老後のことを気にして若い時間を辛い労働に費やすのでなく、好きなことをして過ごしたい。


自分が公的年金がいくら貰えるかは、ねんきん定期便を見れば分かる。この金額は総支給額である。
総支給額が分かっても公的年金の手取り額はいくらになるか分からない。すこし前までは、介護保険料なんてなかった。今の70代後半の人が若い頃にねんきん定期便介護保険料が引かれるなんて書いてなかった。
実際に貰いだしたら、年金から介護保険料が引かれて手取り額が減っていることが起こっている。
今の現役世代が年金を貰うときには、どの程度の金額が天引きされるか予測できない。なので、現時点で年金の受取額をシュミュレーションしても誤差が大きいのでシュミュレーションする価値が無い。

支出も分からない。子供が大学に行かなければ学費は大分浮く。一方で学費が高い私立に行くことも有るだろう。大学に行けば大学院まで進学する可能性もある。
私立だと大学も商売で仕事をしているので教授が大学院の進学を進めてくる可能性もある。高卒か私立の大学院卒かで学費も子供1人当たりに1000万円以上の振れ幅が有る。
学費も予測することは困難だ。


長期の収入と支出のシュミュレーションは意味が無い。数年先までなら予測できるかもしれないけど、それより先は分からない。
偶然にもシュミュレーションどうりになっても、物価の変動が有る。取り上げた記事では、相談者が90歳の時(55年後)に2400万円近くが手元に残るとある。
55年後の2400万円にどの程度の価値が有るかは分からない。物価が倍になっていれば今の金額に換算すると1200万円になる。
日本は物価が安定している思われるかもしれないが、物価が上がり続けていたときもあった。1940年代から1980年代にかけて物価が8倍になったときも有れば。
1990年から2010年まで物価がさがり続けることも有った。何十年も先の物価の変動を予測できないと人生のシュミュレーションをする意味もない。
55年後に3000万円持っていても、物価が10倍になっていれば、今の価値にして300万円になる。55年後に持っているお金にどの程度の価値が有るか分からないのに、いくら持ているか気にしても意味が無い。貯蓄するなら、何年後かに使う予定でする方がいかもしれない。
物価が上がることによる欠点ばかり書いたが、物価が上がることは悪いことばかりではない、むしろ利点の方が多い。
物価が上がれば仕事が増えるので、今の仕事を辞めても次に仕事が容易に見つかる傾向が有る。年をとっても仕事が見つかる可能性も上がる。景気がいいので、給与も上がる。もし、無職になっても復帰がしやすい世の中になる。


先のことは予測できないから、シュミュレーションしても意味が無い。先のことを気にせずに出来ることに力を注ぐべきだと思う。
人の力で何とか出来るのは今日1日だけなので、「今日だけ乗り越えれば十分だ」明日のことは明日の自分に任せる。今日1日だけを考えると、仕事がつらいなら辞めることもできる。


将来に対してネガティブなばかり書いたが。ポジティブなことも有る。
今している仕事がAIやロボットによる自動化が進めば、サービスや商品の価格が下がるから生活費が大幅に下がる。生活費が下がれば、老後に予想しているより低コストで生活が出来るから蓄えがいらないかもしれない。
仕事が自動化すれば自動的に利益が生み出せる。この利益をみんなに分配して、最低限の生活なら何もしなくても得れる時代になる可能性もある。
貯蓄が無く状態で働かなくても生活が出来る時代が来る。そうなると、老後のお金の心配はない。


色々書いたが、言いたいことは、人生のシュミュレーションは意味が無い。
その時に応じて調整しながら生きていけばいいと思う。