進撃の社畜

ブラック企業を全て駆逐してやる

生活保護叩きの根本的な問題

生活保護を非難する人は「受給者が働かないで低所得者よりも良い生活をしている」と主張しているところを見かける。
そして「低所得でも良いから働け」とケースワーカーみたいな事を言って生活保護受給者を働く気がないと責められる。
このように、生活保護が非難されているところをよく見かける。生活保護を非難することの問題点は、データに基づいたものでなく、印象ベースに非難されている。
生活保護の不正受給が、問題になっているという主張をする人がいるが、統計的にそれは正しくない。

平成23年のデータになるが、生活保護の不正受給者はおよそ36万件で被保護世帯数はおよそ160万世帯となる。不正受給者の割合は2.3%ほどになる。
厚生労働省生活保護費全体に占める、不正受給金額の割合を0.5%と公表している。
また、不正受給とされている事例の中には、高校生の子供がアルバイトをして、そのこ戸を申請しないといけないことを知らなかったものも含まれている。
実際にイメージしている不正受給の印象とは違うものも含まれていると思う。

生活保護たたきをする人は、マスコミなどの報道を見た印象をもとにしていると思う。テレビで生活保護者が高級車やブランド物のカバンを持っているといった内容の番組を見たことがあるが、そのような人は例外で少数派だと言える。
マスコミは、生活保護を貰って質素な生活をしている人を取材しても面白くない。生活保護を貰って贅沢している人の生活は面白いからを報道しているのだろう。
この少数の人が、生活保護者の主流派だと思って、生活保護を叩きが起こっているのではないか。

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生活保護の不正受給より重要な問題は、本当に生活保護が必要な人たちが生活保護を受給できていないことである。
生活保護基準を下回る経済状態の世帯のうち、現実に生活保護を利用している割合を捕捉率と言う。日本の生活保護の捕捉率は、18%となる。ドイツが65%、フランスが92%、イギリスが47~90%、スウェーデンが82%となっている。
他の先進国と比べて、低い割合になる。
このようなことが起こるのは、マスコミにより少数である生活保護者の不正受給者を叩いていたり、2ちゃんねるをはじめとしたネット上の至るところで生活保護に対する非難がされていからでからだと思う。
結局のところ、生活保護叩きをしている人は、生活保護は悪いことだという結論を持っていて、そのために利用できる論調なら何でも利用しているように見える。
定量的な指標を示さずに非難されているので、生活保護の印象が実態より悪い印象を持てれている。このような印象があるから日本の生活保護の捕捉率が低い。


生活保護叩きの根本的な理由は、日本人の「足の引っ張り合いの精神」にあると考えている。
自分は大変な仕事を長時間頑張って、税金を納めて、残りの少ない給与の範囲ないで生活しているのに、生活保護を貰って生活している人がいることが許せない考え方をもつ人は多いはずだ。
職場では、自分が長時間残業している人からすると、「みんなが残業しているのに、自分だけ定時に帰宅して、非常識だ」と言って、残業をさせようとしたり。本来なら自分も定時で帰れるようにしていこうと考えるべきだと思うが。
自分だけが不幸なのが許せない、他の人も同じように不幸にならないといけないという、「足の引っ張り合い」の精神が、生活保護叩きにも及んでいるのではないか。


生活保護は、生活に困ったときのセーフティーネットであることを忘れてはいけない。
生活保護の問題点は、2%の不正受給者がいることではなく、生活保護も捕捉率が18%で、受給できていない人が82%いるて、セーフティーネットとしての機能が果たされていないことだ。
生活保護叩きをしている人もいつ自分がそのセーフティーネットを活用する立場になるかわからないのである。その時に、受け取れない可能性を自分たちが高めている。結果的に自分たちの首をしめることになる。
日本では、セーフティーネットを活用することに対して定量的な指標を示して議論した方がいい。
足の引っ張り合いの精神でみんな不幸になるのでなく、手の引っ張り合いの精神でみんなで幸せになろうとすることで、生きやすい世の中になると思う。