進撃の社畜

ブラック企業を全て駆逐してやる

清掃で生産性は上がらない

清掃好きな経営者がいると困る。
毎週の様に経営者自ら清掃出来ているかチェックしている。
チェックに来る前になると、普段タバコを床に投げ捨てて踏んで火を消している管理職が現場や事務所の隅々まで清掃出来ているか見回っている。
そうするのも、清掃が出来ていないと経営者から怒られるのは管理職だからだ。
怒られると評価が下がりかねない。管理職にとって、社内の評価は自身の存在意義である。
それが下がると、溶けて小さくなる程気にしている。僕からするとどうでもいいものだ。評価が低くてもボーナスが数万円しか変わらない。それより高い評価を貰って等級が上がると難しい仕事を任されそうだから、低評価の方が良い気もする。
価値観は人それぞれだなと思う。


清掃ごときで、評価を変えられるのも理不尽な会社だとも思う。
管理職は清掃チェックに人生をかけているので、清掃が出来ていない所があれば、担当職を呼び出して徹底的に清掃をさせる。
当然仕事は止まり、生産性が下がる。僕みたいに残業嫌いな労働者が居ると、遅れを残業で取り戻さない。なので、遅れるとそのまま全て遅れていく。
遅れを取り戻すにしても、残業代を支払わないといけない。
ここまでして清掃をする目的が無い訳ではない。


元々、清掃に力を入れる目的は、生産性を上げる為らしい。実際には逆のことをしている。
大手製造業で、不良品が出る現場と出ない現場が有るとのことだ。前者は、清掃が出来て無くて汚れていて、後者は清掃が出来ていたとのことだ。
そこで、清掃が出来ている現場では、不良が出ないで生産性も高いとのことだ。


僕は、清掃が出来ているから不良が出ないのでなくて、仕事に余裕が有るから出ないかと思う。
仕事が大量に有れば急いで仕事をしないといけないと考える。急いで仕事をすると確認が疎かになってミスが出る。ミスを修正する為に更に忙しくなる。
ミスが多いと仕事が激務になって辞める人が出て、更に悪循環に陥る。
こうなれば、仕事なんて程々にすればいいと考えている人でも「仕事が忙しいから清掃するぞ」とはならない。


仕事に余裕が有れば、確認抜けによるミスは出ないから生産性も上がる。ミスが出ないと仕事も楽なので辞める人も出ないから更に生産性が高くなる。
生産性が高いと時間が余れば掃除でもするかとなる。


清掃ができいるから生産性が高いでなくて、生産性が高いから清掃も出来ているのでないかと思う。
清掃が出来ているから生産性が高いという考え方は、結果と課程が逆になっている。
熱がでたから風邪をひいたと言うようなものだ。


仕事を止めてまで清掃する行為は本末転倒である。
生産性が下がると仕事が激務になる。清掃という無駄な仕事が増えて、疲労は増えて、残業で取り戻せば更に疲労が蓄積されて。
無駄な仕事をしても給与が上がらない。結果的に、薄給激務の職場の出来上がりだ。そんな魅力の無い職場を見捨てて辞める人も出るだろう。


経営者なら無駄な清掃をさせる暇が有れば、儲かる仕事を取るべきだ。
高い給与を払った方が人の流出を防いだ方が生産性が上がる。
儲かる仕事を高い生産性で行うことで、余裕が出来て時間が余る様になれば自主的に清掃を様になる。
儲かる仕事が取れないなら、せめて無駄を省いて、労働を楽にした方が生産性は上がる。


清掃さえできていれば、生産性が上がる考え方は間違えだ。
こうした考え方は生産性を下げる。