進撃の社畜

ブラック企業を全て駆逐してやる

1946年の経済と比較しても無意味

1946年に預金封鎖が起こったみたいですね。参考にした記事に限らず、1946年に預金封鎖が起こったから、また起こるとした謎理論の記事を見かけた。
本当に、あの手この手で経済不安を煽ってくる。
この手の記事を書く人に聞きたいのは「日本円で資産を持っていないだろうな」である。日本円で資産を持っていれば、もうすぐ失うことになる。
1946年の事態に陥れば、極端なインフレによって日本円の価値無くなる。こうした記事を書いていれば分かることである。
少なくとも、日本円で資産を持っている人は、1946年以来の「預金封鎖」が起こらないことも、政府が破産しないことも知っている。

コロナで国債発行額が過去最大に 現実味増す1946年以来の「預金封鎖

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1946年は、戦後間もない頃なので、工場が破壊されてせ資産力を失っていた。ついでに、生産した兵器もことごとく破壊されていた。
生産力は無い、製品は無い、材料も無い。無いモノだらけだった。
戦費調達の為にお金は、多額に発行していた。
お金が有るが、買うものが無い状態であった。お金が有っても買えるモノが無いとなれば、売り手側は高値でモノを売る。極端なインフレになる訳だ。
政府もモノが無いのに、国債を発行する訳にもいかない。国債を発行すると更にインフレが起こるので、復興するには、今あるお金を調達する以外になかった。
一方で現代は、生産性が上がっている。作ったものが余っている状態である。低下でもモノが売れ残る状況である。お金をもっと供給しても、買えるモノが有る。
モノが多くてお金が少ないとデフレが起こる。
インフレになるどころか、デフレに苦しんでいる状況である。デフレはお金の供給不足によって起こる。お金の供給不足なのに、預金封鎖をする意味が無い。寒くて震えているのに、水風呂に飛び込むみたいなもんだろう。
今は生産が出来ているし、デフレよりである。一方で戦後は生産力を失って、極端なインフレになっている。現代の経済と1946年の経済は比較の対象にならない。


戦費調達で国債を乱発し、政府の債務残高がGDP比で260%に達した。昨年の日本政府の債務残高はGDP比で237.7%に達した。


と有るが、債務は残高だけでなくて、資産と負債を差し引いた純資産でみないといけない。戦後直後は、戦争によって資産を失っていた。主婦でも負債だけ見て家計の状況を判断すしない。
今は、資産が有るので状況は違う。政府の子会社の日銀だけでも550兆円の資産を持っている。
政府が子会社を含めて資産から負債を差し引いた純資産を出して、GDP比で見ないといけない。日本はGDP比で30~40%程度になる。
これは、イギリスやアメリカより低い水準である。単純に借金で破綻するとすれば、日本よりアメリカやイギリスの方が先になる。
なんで、日本だけが問題視されるのか理解できない。

そもそも、この手の記事を書く人の貨幣観は100年以上遅れている。
お金の総量が一定だと勘違いしている。確かに昔に金方位制を採用していた頃は「ゴールドの備蓄量=紙幣の量」であった。紙幣は、銀行にいけばゴールドに交換できる。
今は、銀行に紙幣を持ち込んで職員に「金と交換してください」とか言ったら「何訳の分らないことを言っている変な客がきた」と思われて丁重にお断りされる。
金に交換できないどころか、みんなが預金を現金で引き出せない。
現代のお金は、データーに過ぎない。理論上は、いくらでも発行出来てしまう。銀行員は口座預金を発行できる。政府は国債発行によってお金の発行が可能である。
理論上は無制限に出来るが、発行したところで、市場が供給する労働力を越えて使いきれないと意味が無い。国民の労働力を越えて発行するとインフレになる。
そのインフレも許容できる範囲内であれば発行は可能だ。政府はインフレ率の目標値を2%にしているので、それまではお金の発行は可能である。
なので、インフレ率が許す限り国債の発行は可能になる。
コロナで国債発行額が過去最大になっているが、消費が落ち込んでいるところで、国債を発行して余ったモノを買う状態になっているので、インフレは起こらないと思う。
むしろ、インフレを恐れて、国債の発行を減らしているのが現状である。このまま、国債の発行を抑えるとお金が足りなくなる。
モノを生産しても、買うお金がないので、企業は生産量を落とす。
設備投資どころか、設備を減らして、人も解雇していく。どんどん、生産量が落ちていく。
国内で生産が出来ないと、海外から買う。外貨で買うので、日本円を発行して外貨に換金しないと、製品が買えない。外貨を買って輸入をする一方なら、円高が進んで、輸入製品が買えないので、固定相場を導入する。
海外建ての債務を買うことで、外貨を得る方法もある。
財務省は「変動相場制で、自国建て通貨の債務はデフォルトしない」と言っている。
固定相場の導入や外貨建ての債務をもてば、破綻する可能性が出てくる。破綻したら、預金封鎖が現実味を持つかもしれない。

この状況を脱出するためにも、国債の発行は増やせばいい。お金をばら撒く。
そうすることで民間企業が生産性を上げても、製品が買える状況を作る。民間の収入が増えるので、税収は増えるし、国債の発行額も増やすことも可能になる。
預金封鎖を避ける為にも、国債の発行を増やしてお金を供給するしかない。