進撃の社畜

ブラック企業を全て駆逐してやる

誰にとって優良企業

就職活動をしていると優良企業に就職したい人がいっぱいいると思う。一般的に優良企業と言われている企業は、就職活動における人気も高い企業だと思う。
優良な企業に就職して、ずっと続けて行けたら将来が安泰だと思う人も多いと思う。


この優良企業という単語は、実際にかなりあいまいだと思う。就職活動性がイメージする優良企業とのずれがあることもある。この優良企業は誰にとって優良なのかはっきりしていない。
じゃ、誰にとってなのかは、(1)株主にとっての優良企業、(2)消費者や顧客にとっての優良企業、(3)従業員にとっての優良企業という3つの見方ができると思うが、これらを区別されずに使われている。
この3つ全てにとって優良なら、区別されずに使われていても問題は無いし、就職先としてもいい会社であるはずだ。
しかし、3つ全てにとって優良となれば、かなりの資金力があって、経営者は、従業員のプライべートも充実させて利益を従業員にも多めに分配する考え方がある人でないと実現しない。
実際には、(1)(2)と、(3)には負の相関がある。株主と消費者や顧客にとっていい会社であるほど、従業員の負担が増すことになる。


(1)株主にとっての優良企業となると、株主に利益を多めに分配することになる。会社の利益額は決まっているので、必然的に従業員の給与が低くなる。
(2)消費者や顧客にとっての優良企業となると、安くて質の高いサービスをいつでも提供する会社になる。
安いサービスを提供するためには、従業員は安い給与で働くことになる。安く働けば働くほどコストを下げれるので、サービス残業をすることでより安いサービスを提供できる。
対応をよくするためには、客から横暴な態度を取られたり理不尽な要求をされても、嫌な顔をせずに対応することが求められる。
いつでも対応できることも、消費者や顧客に求められると思う。その会社では、いつでも仕事をしている人がいることになるので、残業が当たり前のようにあるかもしれない。
(1)(2)を満たすには、従業員は安い給与で残業をすることが求められる。
(3)従業員にとっての優良企業であるためには、給与が高くて、残業が無くて有給が取れる必要がある。(1)(2)と逆の条件になる。
このように、「株主」や「消費者」「顧客」にとって優良な企業が、「従業員」にとっても優良だとは限らない。


就職人気優良企業ランキングは、このあたりのことがあまり考えられていないように思える。
さすがに悪い噂が絶えない会社は、企業ランキングから外されているが、業績が良くて潰れそうになくて、あまり悪い噂が表に出ていなければランクインしていると思う。


業績が良い会社なら潰れることは無いし、入社さえしてしまえばしがみつくことで将来は安泰あだと考える人がいると思う。確かにかつての高度経済成長期のころならこの考え方は間違えでなかったかもしれない。
今は、業績が良くても今後もいいとは限らない。仮に潰れなくても、株主ばかりに利益を還元することもあるだろうし、顧客第一で考える会社にしがみついたとしても、従業員は安月給で長時間労働がある職場で働くことになる。
会社にしがみつくことも大変だと思う。仕事が大変で責任が重くて、それが原因で鬱病を発生させることもある。鬱病による休職から自動的に退職に追い込むシステムが整備されている場合もある。
リストラに合わなくても、強制的に退職に追い込まれてしまうこともある。


就職する際は、誰にとっての優良企業なのかを一度考えるべきだと思う。「株主」や「消費者」「顧客」にとって優良企業でなく、「従業員」にとっての優良企業を見つけて就職したほうがいい。