進撃の社畜

ブラック企業を全て駆逐してやる

サービス残業より有給が100%取得できない方がたちが悪い

日本の有給取得率が低いという話はよく聞く。

2017年度の厚生労働省の就労条件の調査の中で公表された有給休暇取得率の平均は、全体で49.4%となっている。半分も取れていて高いと思う人は、社畜化が進んでいるから気を付けよう。
海外では、ブラジル、フランス、スペイン、オーストラリア、香港が100% 、シンガポールが93%、アメリカが80%となっている。
先進国の中では、日本の取得率が低いことが分かる。

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日本では、半分以上の有給が取得されることなく消化されている。
有給が全て取得できないといった状態は、タダ働きと変わらない。
有給率が100%で働いたときの年収と、有給を全く取らない年の年収は同じである。有給が取れない分長時間働いても給与が同じである。
給与は有給取得100%する前提で決められており、年間休日が120日有るとして、有給が15日付くとしたら、出勤日数は365-120-15=230日となる。
出勤日数が230日に対して給与が支払われている。もし、有給を使わずに出勤日数が245日であったとしても給与は同じである。
有給を使わなかった日数分だけ、タダ働きをしている。
残念なことに、有給は働かなくてもお金が貰える制度だと思っている人が居る。お人良しであるとしか言えない。
こうした人が居るのは、経営者が自身にとって都合がいい価値観しか従業員に押し付けないから仕方が無いのかもしれない。
他には、全社旅行の旅費が出る、忘年会などの費用が会社から出る、社会保障は労使折半であることから、会社が半分支払ってくれていると思っている人が居るが、会社側からすると、それらを支払う前提で給与を決められている。
全て給与から差し引かれていると考えることが普通だ。

 

ダダ働きと言えば、サービス残業が定番である。有給が取得できない状態は、サービス残業させられているのと同じである。どちらもタダ働きさせられている。
サービス残業だと、違法になるので、後で訴えれば、未払いの残業代を請求できる。また、サービス残業が有るとなれば、企業の評判も悪くなる。
しかし、有給休暇の取得率が100%未満であっても、違法どころか問題にすらならない。酷い場合だと美談とされる。


違法にならないことをいいことに、有給取得の抑制をしている。
法的には、従業員の有給休暇の申請はよっぽどのことが無いと突っぱねられない。企業側は、取得日の変更のお願いをすることしかできない。
従業員が取得したいと言えば、必ず取得できる仕組みになっている。


しかし、有給取得100%は難しい。有給取得抑制する為に、仕事を短納期にして、休めない雰囲気にしている。
会社でみんなが有給取得できないなか自分だけ「有給取得するから、あとは宜しくね」と言えない。
実際には有給が取れない様にしている。仕事の納期を短く設定することで、有給を取ると間に合わない。
その中、職場で自分だけ当然のように有給休暇を全部消化する行為は、ハードルが高い。会社で干されて仕事がやりにくくなる。
出世が出来なくなる可能性も高くなるかもしれない。法律や雇用契約上も有給取得は可能だが、実際に取得をためらってしまう。


働き方改革で、有給取得率を上げる対策がされている。しかし、働き方改革だけでは、海外並みの有給取得率にならない。
改革より、休むことに対する考え方を改革しないと、いつまでも有給取得率は上がらない。
休むことは悪いことではない。休むことは、寝るたり食事をすることと同じである。有給取得できる企業の方が生産性も高くなだろうし、やる気も出るはずだ。
有給は全て使い切る。むしろ、有給を消化してしまう方が非常識である。こうした考え方を、常識として浸透させないと、有給取得率は上がらない。


有給取得してはいけない価値観は、義務教育の頃から始まり、社会人になると社畜研修でも、休まずに働くことが美徳とされる。配属先の社畜上司も有給取れない自慢している。
残念でしかない。
学校では1年間休まないと、皆勤賞といった不名誉な賞が貰える。
社畜研修では、私生活を犠牲にしてでも働くことを強要する研修を受け、上司も会社に尽くすことが美徳だと思っているので、有給取得する部下を見て良い気分ではないだろう。
そんなことをしても、社畜にとって損失しか出ない。いい加減に、洗脳されて利用されていることに気が付くべきだ。
義務教育で、皆勤賞を無くす、社畜研修の撤廃から始めるべきだ。社畜研修が有る企業では、働かない位でいい。