「法人税が上がると企業が海外に逃げる」といった話しを聞いたことがある。
税率が低い国で商売した方が、利益が出たときに手元に残る額が多くていいと考えるので、一見正しい気もする。
消費税を上げる一方で、法人税は下がっている。
消費税を上げるときは消費動向が変わらないと言っている一方で、法人税は下げると国内で事業をすると考えるのか謎だ。
動向が変わらないなら、法人税も上げれば、税収が上がってみんな幸せになれる。
法人税を下げた結果、国内投資は増えていない。リーマンショックの時に減ってはいるが、それ以外は変化は少ない。
一方で、海外への設備投資は、増えている。「法人税が上がると企業が海外に逃げる」が正しいなら、法人税が下がった日本では海外への投資が減るはずなのに逆に増えている。
それもそのはずで、法人税が下がれば利益を溜め込もうとする。利益が増えて手元に残しても税金が低いならお得だ。
企業が利益を溜め込むためには、人件費削減、設備投資を行わない。
本来なら、企業が支払っていたお金が手元に残るのだから、市場にお金が出ない。
そうなると、給与が少なくなるので、出費を抑える。そんな国で商売しても儲からないと考えて海外に工場が流出する。
市場にお金が出ないと、円が外貨と比べて少なくなるので希少性が増す。これは、円高要因になる。
国内で作っり、売れ残ったものは海外で売るが、高い円で作った製品なので海外でも売れない。それなら、海外で作ろうと言う発想になる。
法人税の減税はデフレよりの対策になる。
「法人税が上がると企業が海外に逃げる」は間違いで「法人税が下がると企業が海外に逃げる」が正しい。
何のために法人税を下げているのか分からない。法人税を下げる代わりに消費税を上げている様に思える。
企業経営者に法人税を下げるを餌に、消費税増税の賛成をさせているのでないかと邪推してしまう。
法人税を上げるとどうなるか。
利益が残っても税金でもっていかれる位なら、従業員に還元する企業が増える。
従業員の給与が増える。設備投資もすると関連事業にもお金を支払う。支払いは誰かの収入になるから、その企業の収入も増える。
収入が増えたら支出も増える。そうした国では事業をする上で、魅力のある市場になるので、もっと生産するために投資する。
海外の企業も、日本に設備投資するかもしれない。設備投資が増えれば、雇用も増える。法人税が上がるといいこと尽くめだ。
多くの人が得する法人税の引き上げをしないで、みんなが損する消費税の引き上げをするのか理解できない。
せめて一貫性があればまだ理解できる。増税すれば税収が上がるという間違った理論があるなら、両方上げるべきだろう。
なぜか、法人税を下げて、消費税だけ上げている。一貫性も無い。
